この記事では、カロリーの英語表記やスペルは「kcal」なのか、「cal」と「Cal」の違いについて説明します。
普段料理をする方や、ダイエットをしている方、運動をしている方であれば、他の人よりも意識的に「カロリー」を気にしているという方が多いのではないでしょうか。
よく目にする食品のパッケージなどには、「kcal」と表記してあることがほとんどなので、これ以外の表記は思いつかないという方もいるかもしれません。
しかし、なかには、「cal」や「Cal」といった表記もカロリーでしょ?とお思いの方もいらっしゃいますよね。
今回は、そんな「カロリー」の英語表記の秘密に迫ります。
「cal」と「kcal」の違い
普段私たちが食べたり、飲んだりしている商品のカロリーを表すときは、「kcal(キロカロリー)」と表記されていることがほとんどで、なかなか「cal(カロリー)」という表記を見る機会は多くありません。
しかし、「cal」がカロリーを表しているということはなんとなくわかりますよね。
では、「kcal」と「cal」はどのような違いがあるのでしょうか。
1kcal(1キロカロリー) = 1000cal(1000カロリー)
簡単な考え方は、「m(メートル)とkm(キロメートル)」と同様に、単位が異なっているということ。
1000m(1000メートル)は 1km(1キロメートル)ですよね。
同じように、1kcal(1キロカロリー) = 1000cal(1000カロリー) なのです。
つまり、kcalはcalの1000倍を表す単位であるため、「cal」と「kcal」は別物なのです。
「cal」という表記を見ないのはなぜ?
「kcal」はよく目にするけれど、「cal」という表記を見る機会はないですよね。
なぜかというと、「cal」が日常生活の中で用いる単位としては非常に小さいため。
たとえば、炭水化物であればわずか1gが4,000calという表示(桁数)になってしまうのです。
これでは、重量(g)が増えれば増えるほど、calで表される数字の桁数が非常に多くなり、わかりにくくなってしまいます。
そのため、通常ではk(キロ)をつけて、4「kcal」と表記しています。
「Cal」と「kcal」は同じ意味
次に「Cal」と「kcal」についてです。
前項で「cal」と「kcal」の違いについてお話ししましたが、「Cal」と「kcal」ではどうでしょうか。
さっきと一体何が違うの?と思った方もいるかもしれませんが、実は先ほどとは、「cal」と「Cal」で、頭文字が小文字と大文字で違うのです。
頭文字が大文字となった「Cal」は、「kcal」と同じ意味を持ちます。
その理由は、カロリーの歴史に関係があります。
はじめてカロリーという単位を提唱したのは、フランスの物理学者ニコラス・クレマンで、1824年のことだと言われています。
クレマンは「水1kgの温度を0℃から1℃に上げるのに必要な熱量」をカロリーと名付けました。
ところが1888年、英国学術協会が「水1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量」をサームと名付け、その後1896年にカロリーに改称しました。
このとき、前者(クレマン提唱)を「大カロリー(kg-calorie=1000cal/Cal(頭文字が大文字))」、後者を「小カロリー(g-calorie=1cal/cal(頭文字が小文字))」としたため、カロリーという単位が2種類混在したのです。
このような背景の元、栄養学においては古くからカロリーを表す単位として大カロリー(Cal)を用いてきました。
しかし読み方を単に「カロリー」と言っていたため、「Cal」と「cal」では非常に紛らわしかったんです。
ですので、混乱を避けようと「kcal(キロカロリー)」と表記して用いるようになりました。
このことから、Cal(大カロリー)= kcal(キロカロリー)であり、これらは同じ意味を持っているとされています。
「カロリー」という言葉の由来
さて、ここまでカロリーの英語表記について説明をしてきましたが、「カロリー」という言葉は、一体どこからきているのでしょうか。
よく英語だと勘違いをされている方も多いのですが、実はカロリーはラテン語。
“熱”を意味する calor に由来しているといわれています。
熱量を表す単位として、200年ほど前から広く使われてきたカロリーですが、実は日本では、熱量の計量単位はジュールまたはワット秒、ワット時と定められており、特殊な計量に限ってのみカロリーを使用できる単位としています。
ここでの特殊な計量とは、「人もしくは動物が摂取する物の熱量」、または「人もしくは動物が代謝によって消費する熱量」の計量のことを指します。
摂取する物の熱量とは食事をすること等で得る熱量、代謝によって消費する熱量とは日常生活の中での運動によって消費する熱量のことだと思えばわかりやすいですね。
まとめ
一見、気に留めることなく見逃してしまいそうな「cal」と「Cal」「kcal」。
その英語表記の違いや、由来についてお話ししてきましたが、普段私たちが見慣れているカロリーの英語表記「kcal」が定着するまでには、様々な背景がありました。
実生活の中で、カロリーの表記について考える機会はあまり多くありませんが、この内容が少しでも、皆さまのお役に立つことができましたら幸いです。