チョコレート(生クリームなど、何も混ぜていないチョコ)が固まるまでの時間は、以下のとおりです。
- 常温 ⇒ 4~6時間
- 冷蔵 ⇒ 1時間以上
- 冷凍 ⇒ 30分以上
この記事では、「チョコレートの固まる時間」にまつわる、知っておくと役に立つ「正しいチョコレートの固め方」や、「チョコレートが固まらない時の原因・対処法」について紹介します。
チョコレートが固まるまでの時間
チョコレートを型に流してから、チョコレートが固まるまでにどのくらいの時間がかかるのかご存じでしょうか。
固める方法には、「常温」「冷蔵」「冷凍」の3つの方法がありますが、それぞれ一般的に、次の時間がかかるとされています。
- 常温 4~6時間
- 冷蔵 1時間以上
- 冷凍 30分以上
ただし、これは何も混ぜていない「シンプルなチョコレート」を固める場合にかかる時間です。
生クリームや牛乳を入れた生チョコを作る場合では、かかる時間に差があるため、作っているチョコレート菓子のレシピ通りの時間が必要です。
また、大きさによっても多少の違いはありますので、上記時間はひとつの目安としてご認識ください。
チョコレートが固まったか確認する方法
チョコレート菓子を作っているときに、チョコレートが固まったかどうかを確認する方法として、2つが挙げられます。
チョコレートと型の間に隙間ができているかを確認する方法
1つ目は、チョコレートを流した型を裏から見て、チョコレートと型の間に隙間ができているかを確認する方法です。
裏から見たとき、チョコレートと型の間に隙間ができていれば、チョコレートが固まったということ。
反対に、全く隙間がない場合は、冷却が足りていない証拠であるため、引き続き固める必要があります。
ただし、この方法は使用している型(モールド)がクリアな場合にのみ有効であるため、そうでない場合には使えません。
竹串を刺して感触・固まり具合を確かめる方法
2つ目は、チョコレートに竹串を刺して感触・固まり具合を確かめる方法です。
スポンジケーキなどの焼き菓子を作ったときに、竹串を刺してしっかり中まで火が通っているかを確認するのと同じ方法で、これはチョコレートでも有効です。
チョコレートは固まると、ケーキ生地よりも表面が固くなるため、感触でわかりやすいです。
直接指で触れてしまうと、指の温度で溶けてしまう可能性があるため、直接指では触れず、竹串などを使用するのが良いとされています。
ただし、竹串を刺した部分は穴が開いてしまうため、同じ条件で作った“確認用”のチョコレートを用意しておくのがおすすめです。
チョコレートが固まる温度は28度以下!
そもそもチョコレートとは、炒ったカカオ豆をすり潰したものに、油脂(カカオバター)や砂糖・粉乳を混ぜて冷やし固めたもの。
主成分であるカカオ豆にはおおよそ55%のカカオバターが含まれていますが、このカカオバターの融点は、32~36℃とされています。
融点とは、固体が融解し液体になる時の温度を指すため、カカオバターが融点に達すると溶ける、つまり、融点以下であれば固まる(溶けない)ということになります。
ただし、チョコレートの種類(ビター・スイート・ホワイト等)によって、カカオバターの含有量に差があるため、一般的に28℃以上であればチョコレートは溶け、28℃以下の状態であればチョコレートは固まるとされています。
チョコレートを固めるには常温?冷蔵庫?冷凍庫?
チョコレートを固める方法のうち、最も推奨されているのは、「常温」で固める方法です。
その理由は、チョコレートの品質が悪くなるのを避けるため。
チョコレートを冷蔵庫や冷凍庫で急激に冷やし固めると、シュガーブルームと呼ばれる白い斑点が表面にできてしまったり、結露を起こして水滴がついてしまったり、固まりにムラが生じることで舌触りが悪くなってしまうのです。
そのため、急激な温度変化を与えないよう、常温でゆっくりと冷やし固めることが良いとされています。
ただし、夏場や気温の高い日は、常温だとチョコレートが固まらない場合もありますので、その際は、溶かしたチョコレートの粗熱をしっかり取ってから、冷蔵庫で冷やし固めるのが良いでしょう。
もちろん、生チョコを作っている場合は常温では固まりませんので、レシピ通り冷蔵庫で冷やし固めるなど、状況に応じて判断してくださいね。
チョコレートが固まらない原因と対処法
チョコレート菓子を作っている時の失敗に、「チョコレートが固まらない」ということがよくあります。
これには、いくつか原因がありますが、対処法をきちんと理解すれば失敗を避けることが可能です。
原因①テンパリングをするときの温度が間違っている
チョコレートを溶かすとき、熱湯を使用して湯煎にかけると、チョコレートが固まらなくなってしまうだけでなく、風味が飛び、焦げてしまう可能性があります。
そのため、湯煎に熱湯を使用することはNGとされています。
チョコレートを溶かす温度の目安は、50~60℃前後。
湯煎に適した温度のお湯は、沸騰したお湯に常温の水を半分程度混ぜるだけで簡単に作ることができますので、湯煎の温度に気を付けることが失敗を防ぐ一番の近道といえます。
テンパリングに失敗して固まらなかったチョコレートは、チョコレートだけでの再利用ができなくなります。
クッキー、マフィンなどの手作り焼き菓子に入れる、カレーやビーフシチューなどの料理の隠し味に使うなど、他のものと混ぜて利用してみてくださいね。
原因②チョコレートに水が入ってしまった
使用している調理器具に水分が残っていた場合や、湯煎にかけている時にチョコレートに水が入ってしまうと、チョコレートは固まらなくなります。
それは、チョコレートの主成分である油脂(カカオバター)に水が入ると分離してしまうからです。
対処法はいたってシンプルで、チョコレートに水が入らないようにするだけ。
調理器具は使用するまでにきちんと水気を切っておき、湯煎に使用するボールはお湯が入っているボールよりも大きめのボールを使用し、水が入らないようにすることで防ぐことができます。
水が入ってしまって固まらなかったチョコレートも、チョコレートだけでは再利用ができません。
何かの料理に入れて使うようにしましょう。
原因③(生チョコの場合)生クリームや牛乳の分量が間違っている
これはチョコレート菓子だけでなく、他のお菓子を作っている時も共通ですが、レシピ通りに作らなければ失敗する確率はぐんっとあがります。
基本的な生チョコは、チョコ2:生クリーム1の割合です。
しかし、使用するチョコレートが市販用と製菓用で異なっている場合や、生クリームが植物性・動物性・脂肪分などで異なっている場合でも、仕上がりに差ができてしまいます。
チョコレートはとてもデリケートであるため、正しいレシピ通りに作ることを心掛けることが失敗を回避することに繋がります。
まとめ
この記事では、普段のお菓子作りやバレンタインに大活躍のチョコレートについてお話ししました。
チョコレートは溶かし固めるだけで簡単なプレゼントにもなりますが、その固め方によって出来上がりに差が生まれたり、上手く仕上がらなかったりする場合があることをおわかりいただけたのではないでしょうか。
失敗せずに美味しく調理するために、基本をきちんと押さえ、正しい調理方法を心掛けて、チョコレート菓子作りを楽しんでください。