メロンの漢字表記やその由来についてはあまり考えたことがないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、メロンの漢字表記や、なぜそのように書くようになったのかをわかりやすく解説していきます。
メロンを漢字で書くとどう書く?
スーパーや果物屋さんなどでよく売られている「メロン」。
カタカナで表記されていることがほとんどなので、メロンにも漢字があるということを知っている方は少ないかもしれません。
実はメロンは、「甜瓜」または「真桑瓜」と表記することができるのです。
メロンの漢字表記の由来
「甜瓜」または「真桑瓜」と表記するメロンは、ウリ科の植物であることから、名前に「瓜」という漢字が入ることは予想できた方も多いのではないでしょうか。
しかしなぜ、漢字表記が二つもあるのか少し気になりますよね。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
甜瓜
メロンは「甜瓜」と表記し、「てんか」と読むことができます。
メロンは、古くからアフリカ大陸や中近東、インドや中国といったさまざまな地域で栽培されてきました。
そのなかで、西洋系に広まったものが漢字圏である中国や台湾でも使用されている漢字で表記され、日本に入ってきました。
「甜」という字には甘いという意味があり、メロンはウリ科(瓜)の植物であることから、これらの漢字を組み合わせて、甜瓜と表記するようになったと言われています。
真桑瓜
一方、こちらの「真桑瓜」は、「マクワウリ」と読むことができます。
マクワウリとは、岐阜県真桑村(現在の本巣市)の名産であるウリ科キュウリ属の植物で、元々は前述の「甜瓜」と表記されていました。
大量栽培が可能なため、比較的安価で手に入れられるマクワウリは、気軽に食べられるメロンとして親しまれていました。
また、甘みが少し弱いことから、普段の食事にも野菜として取り入れられてきました。
しかしその後、西洋に広まった「甜瓜」が日本に入ってきた際、どちらも同じ表記なので混乱必至でした。
混乱を避けるため、こちらのマクワウリを地方名にちなんで「真桑瓜」と表記するようになったと言われています。
真桑瓜から現在のメロンに主流が変わった理由と真桑瓜の現況
漢字で「甜瓜」または「真桑瓜」と表記されるメロン。
ではなぜ、現在は「メロン」とカタカナ表記が主流となっているのでしょうか。
それは、学問上での取り決めごとだからです。
法律などで厳しく定められているわけではありませんが、野菜や果物に限らず、生物名をカタカナ書きすることは専門家の中で広く採用されており、常識として扱われています。
特に、メロンは日本で元々マクワウリとして栽培されてきたとはいえ、現在の甘いメロンを広めたのは西洋から入ってきたものがほとんどであるため、「外来語」として、カタカナ表記のメロンが主流となったようです。
なお、真桑瓜は岐阜県だけでなく、佐渡島など日本の様々なところで現在も栽培されており、主に夏野菜として食べられていることが多いようです。
マスクメロンの漢字表記と由来
大変香りが強く、甘いマスクメロンは漢字で「麝香甜瓜(じゃこうてんか)」と表記します。
麝香は英語で、「musk(ムスク)」と呼ばれており、ジャコウジカという動物の雄が、雌を誘惑する時に放つ香嚢(ジャコウ腺)からの分泌物を乾燥させたもの。
香料や薬の原料として広く用いられています。
マスクメロンは英語で「musk melon」と表記することから、麝香(musk)のような強い香りを持つということが由来となり、漢字で「麝香甜瓜」と表記されています。
ちなみに、日本でいうマスクメロンは、主にアールスフェボリット(アールスメロン)のことを指しており、「マスクメロン」自体は品種名ではないそうですよ。
まとめ:メロンを漢字で書くと?漢字表記の由来とは?
同じウリ科の植物であるスイカやキュウリ、カボチャと比べると高級なイメージがあるメロン。
しかしそれらの食べ物と同様に、日本でも古くから栽培され、人々に親しまれてきました。
ある時は野菜として、またある時はデザートや菓子として、日々の食事を豊かに彩ってくれるメロンは、これからも多くの人々に愛されていく食べ物なのではないでしょうか。