ふくろうは縁起が悪いという考えと、ふくろうは縁起が良いという考えがあります。
それは、国や地方、時代によっても異なります。
この記事で解説していきます!
ふくろうは縁起が悪いといわれる理由
「ふくろうは縁起が悪い」という考えは、アジア・アフリカ・オセアニアに多いようです。
「縁起が悪い」といわれる理由を紹介しますね。
ふくろうは縁起が悪いといわれる理由①夜行性だから
ふくろうは夜行性で、飛ぶときもあまり音を立てません。
「人々が寝静まる夜、暗闇に紛れて活動し、その上、音も立てず獲物をしとめる」という情報だけ見ると、たしかに「暗闇に紛れて活動する殺人犯や強盗」のような不気味さがあるかもしれません。
鳴き声も独特で、夜も単独で狩りをするふくろうの生態は、親しみを抱きにくかったのかもしれません。
こうしたことから、インドやエジプトなどでは「魂・霊・死・(死をもたらす)魔女」などの象徴とされ、「危険な呪術」とも結び付けられました。
ふくろうは縁起が悪いといわれる理由②肉食だから
ふくろうは肉食で、獲物を捕らえるかぎ爪と鋭いくちばしを持っているので、暴力的な性格と考えられました。
古代中国では、ふくろうは「母親を食べる不幸な鳥」とされていました。
ふくろうの攻撃力が由来かもしれませんね。
実際はふくろうに親殺しの習性はないので、誤解もいいところなのですが……。
古代中国では、母親を食う不孝な鳥とされ、冬至にとらえて磔(はりつけ)にし、夏至にはあつものにして、その類を絶やそうとしたという。『五雑俎(ござっそ)』にも、福建などでは、フクロウは人間の魂をとる使者といわれ、その夜鳴きは死の前兆とされたとある。
引用元:コトバンク
現代の日本では、ふくろうは「縁起が良い」といわれていますが、実は江戸時代には「凶」であるといわれていたんですよ。
時代とともにイメージが変わったんですね!
わが国江戸時代の『本朝食鑑』には、人家に近くいるときは凶であり、悪禽(あくきん)とされ、あるいは父母を食い、人間の爪(つめ)を食うと記す。
引用元:コトバンク
ふくろうは縁起がいいといわれる理由
現代の日本や欧米では、ふくろうは縁起がいいという見方が多いです。
「ふくろうは縁起物」とされる理由を解説します。
ふくろうは縁起がいいといわれる理由①不苦労や福来郎などの当て字があるから
日本では「不苦労」以外に、「福」の字とも結びついています。
「福老」なら長寿のお守り、「福路」は旅の安全や幸福な人生への願いが込められています。
「福籠」「福来郎」……、「ふく」には「富来」の字が当てられることもあります。
ふくろうは縁起がいいといわれる理由②首が回るから
ふくろうの首は左右に270°も回ります。
お金のやりくりで苦労することを「首が回らない」などと言いますが、「首が回らなくなるのを防ぐ」→金運アップ・商売繁盛のモチーフにもなっています。
ふくろうは縁起がいいといわれる理由③目が大きいから
ふくろうの目は、体のサイズに比べて大きいのが特徴です。
暗闇の中でも目が利くので、「見通しが明るい」→商売繁盛するといわれています。
地中海にあるミノルカ島では、ふくろうは大きな目で邪悪な存在をにらみつける「幸運・魔よけのお守り」になっています。
魔除けだけではなく、知恵の象徴とする見方もポピュラーです。
ふくろうの頭の形がイヌやウマなどよりヒトに似ていることも、「ふくろう=賢い」という考えの理由なのだそう。
ギリシャでは、「知恵の女神アテーナーの化身」であり、「幸運・勝利の象徴」とされています。
まとめ
現代の日本では縁起がいい鳥としておなじみのふくろうですが、縁起が悪いと考える国や地域もあります。
文化の違いがあって興味深いですが、海外の方に贈り物をするときなどは気を付けたいですね。