スプレー缶を放置すると危険です!
普段何気なく手にしているスプレー缶。
そのスプレー缶が時には危険なモノとなることを、一体どれだけの人が理解しているでしょうか。
「中身を使い切ってから捨てたら問題ない」と、それだけを思っていませんか。
実は、スプレー缶にも適切な保管方法や使用方法があります。
今回は、年齢問わずどなたでも使用する可能性がある身近な“スプレー缶”に潜む“危険”について解説します。
スプレー缶を車内に放置するのは危険!
夏に使用する機会の多い虫よけスプレーや制汗スプレー、アウトドアやキャンプなどには欠かせないガスボンベなど、ついうっかり長期間車の中に置いたままにしているという方はいませんか。
実はその行為、大変危険です!
なぜなら、爆発する恐れがあるから。
特に夏場の車内は、エアコンをつけずに窓を閉め切った状態にすると、日中の気温が50度を超える可能性があることはご存じの方も多いはず。
日中車内に置き去りにされた小さな子どもが、熱中症になって命を落としてしまった…という報道がされたこともあるほど、想像以上に車内は高温となります。
そのような環境の中に、スプレー缶を置いておくと、缶の中のガスがどんどん気化(膨張)し、その結果、スプレー缶が破裂してしまうのです。
狭い車内では缶が破裂するだけでも、怪我をする可能性が十分にあります。
さらに、破裂時に発生する火花がガスに引火し、爆発を招く恐れもあるのです。
そのため、スプレー缶を車内に置いたままにすることは危険であるとされています。
車内でスプレー缶を使ったあとの喫煙に注意!
いくら保管場所に気を使っていたとしても、ついやってしまいがちなことに「車内での喫煙」が挙げられます。
普段、何気なく吸っているその煙草。
車内でスプレー缶を使用した後すぐに、何も意識せず煙草に火をつけて吸っている…という方はいませんか。
実はその行為も、大変危険です。
一般的に、スプレー缶に使用されている可燃性ガスは、空気よりも重く、車内のような狭い空間であれば、目には見えていなくても、一定時間は車内にガスが滞留している可能性があるからです。
そのような車内で、ライターに火をつけると容易に引火する危険性があることはおわかりですよね。
スプレーを噴射後、何十分も時間を置く必要はありませんが、窓を開けて換気をしたり、少しの間喫煙を我慢したりするなど、できる範囲で危険を回避することが大切です。
スプレー缶をストーブなど暖房器具に近づけるのは危険!
スプレー缶を「車内に放置すること」や「車内で使用したあとに喫煙すること」の危険性については、きちんと認識していなかったという方でも、「スプレー缶を暖房器具に近づけることは危険である」と聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
子どもの頃、家庭内でストーブやヒーターを使用している時など、家族からきっと一度は言われたことがあるのではないかと思います。
これは、暖房器具に近付けることで、スプレー缶の中のガスが気化(膨張)し、スプレー缶が破裂することによって火災に繋がる危険性があるからです。
先に述べた、スプレー缶を車内に長時間放置した際に起こる事故と同様ですが、ストーブを使用している場合などは火力があるため、車内での事故よりも大惨事になる恐れがあります。
特に、年中使用する可能性が高いヘアスプレーや消臭スプレーなどは、家の中に必ずひとつは常備されている場合が多いですよね。
“自分は大丈夫”と思っていても、思いがけぬことがきっかけで事故やケガに繋がる危険性がありますので、改めてご認識いただきたい内容です。
スプレー缶を取り扱う際の注意事項
ここまで、スプレー缶の危険な保管方法や使用方法についてお話ししてきました。
では、適切にスプレー缶を取り扱うためにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。
主な注意事項は下記の通りです。
- 風通しのよい場所または、窓を開けて使用すること。
- 長時間使用し続けないこと。
- 静電気が起きやすい場所や、火元の近くでは使用しないこと。
- スプレー缶は垂直に立てて使用すること。
- スプレー缶にON/OFFのボタンがあるものは、使用後必ずOFFにし、フタがあるものはフタをきちんと閉めること。
もちろん上記以外にも、製品によっては注意事項が詳細に記載されている場合もありますので、使用する製品の説明をきちんと読んでから使用してくださいね。
まとめ
家だけでなく、会社や学校など、日常生活の様々なシーンで取り入れられているスプレー缶は、手軽に使用できるものの、使い方を少し間違えると事故に繋がる恐れがあります。
しかし、正しく使えば何も恐れることはありませんので、危険性や使用上の注意をきちんと理解した上で、暮らしの中に取り入れましょう。
また、使い終わったあとのスプレー缶は、各自治体に応じて責任を持って適切に処理することができるよう、常日頃から心掛けておくことも大切です。